カテゴリ:水滸傳絵詞( 34 )

2008年 10月 27日
水滸傳絵詞之四『豹子頭 林冲』
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 李逵や魯智深、武松たちが、むきだしの感情そのままに、前へ前へと突き進んでいくのに対し、林冲は幾度も後ろをふりかえります。友に裏切られ、官を追われ、愛するひとを失い、彼の心は降りしきる雪のように冷たく、北風のように寂しく、冬の黄昏(たそがれ)、豹子頭林冲は緑林の別天地、梁山泊へと消えてゆきました。

『豹子頭 林冲(ひょうしとう りんちゅう)』

絵巻水滸伝(第1巻)


                              絵と文★正子公也
*『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を当時のまま、掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)
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by suiko108blog | 2008-10-27 01:43 | 水滸傳絵詞 | Comments(0)
2008年 10月 26日
水滸傳絵詞之三『花和尚 魯智深』
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名は達。智深はその僧名です。名づけたのは五台山の智真長老。山を去る智深に、長老は言います。
「魯智深、まずは生きる侭(まま)に生き、行くが侭に行け」
天性、剛にして直、勢いは風よりも疾(と)く、奇妙なほど我欲に乏しく、か弱き者への涙あり。友・林冲を救わんと野猪林へと急ぐ“花羅漢(からかん)”魯智深。六十二斤の禅杖が風を呼び、病葉(わくらば)が狂ったように舞いました。

『花和尚 魯智深(かおしょう ろちしん)』

絵巻水滸伝(第1巻)


                              絵と文★正子公也
*『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を当時のまま、掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)
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by suiko108blog | 2008-10-26 11:31 | 水滸傳絵詞 | Comments(0)
2008年 10月 25日
水滸傳絵詞之二『少華山の三傑』
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 天に云う。われら三人、同じ日には生まれずとも、ただねがわくは同じ日に死なん。たとい劉備・関羽・張飛が義心に及ばずとも、その志はこれおなじかるべし──。
“桃園の誓い”に倣い、少華山の三頭目は義兄弟の契りを結びます。史進と共に梁山泊に合流、朱武はその神算鬼謀をもって山寨に重きをなし、軍略においては、呉用を凌ぐものがありました。
“宙を飛ぶ虎・陳達”、“人を食らう白い大蛇・楊春”、“神の知謀を持つ男・朱武”、彼らが“龍の子”史進と出会うことにより、伏魔殿より目覚めた運命の悪魔星(あくまぼし)は、ようやく動き始めます。

『跳澗虎 陳達(ちょうかんこ ちんたつ)』
『白花蛇 楊春(はっかだ ようしゅん)』
『神機軍師 朱武(しんきぐんし しゅぶ)』

絵巻水滸伝(第1巻)


                              絵と文★正子公也
*『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を当時のまま、掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)
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by suiko108blog | 2008-10-25 01:51 | 水滸傳絵詞 | Comments(4)
2008年 10月 24日
水滸傳絵詞之一 『九紋竜 史進』
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 雲間にかかる月が、徐々に明るくなるにつれて、棒を振る若者の背中の影から、竜が一匹、二匹……と姿を現しました。蒼ざめた月光に汗はきらめき、竜の息吹と見まごうばかりの蒸気となり、立ち上ってゆきます。
「なかなかうまい。見世物にはちょうどよい」
 九匹の竜の刺青をしたその若者は、棒の手をやめ、声のした方にゆっくりと振り向きます。
「──客人。いま何と申された」
 その眼は、挑戦的で傲慢で、しかし熱く気高い、竜の眼でした。王進(おうしん)は何か得体の知れない大きな力に、引き寄せられるのを感じました。かくて王進は、この若者に、武芸十八般、己の知りうる総ての秘奥を伝授することになります。
 天に散った百八つの星が、地上に宿命した最初の男──史進(ししん)。あだ名を“九紋竜(くもんりゅう)”。流浪の武芸者王進との運命的な出会いによって、浪に跳る蒼き竜児は、天をつらぬく玉竜へと成長してゆきます。
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                              絵と文★正子公也

1996年7月、正子公也は筆をエアブラシからMacintoshに持ち替え、コンピューター・グラフィックスに挑戦します。(当時の機種はMacintosh Performa 5210)
試行錯誤のすえ制作された、記念すべき第一弾が「九紋竜 史進(くもんりゅう ししん)」でした。今回、掲載したのは、加筆修正した画集バージョンです。初期バージョンは、キノトロープのサイト内「梁山泊の108人」で見る事が出来ます。
『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を、当時のまま掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)
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by suiko108blog | 2008-10-24 00:59 | 水滸傳絵詞 | Comments(0)