
天に云う。われら三人、同じ日には生まれずとも、ただねがわくは同じ日に死なん。たとい劉備・関羽・張飛が義心に及ばずとも、その志はこれおなじかるべし──。
“桃園の誓い”に倣い、少華山の三頭目は義兄弟の契りを結びます。史進と共に梁山泊に合流、朱武はその神算鬼謀をもって山寨に重きをなし、軍略においては、呉用を凌ぐものがありました。
“宙を飛ぶ虎・陳達”、“人を食らう白い大蛇・楊春”、“神の知謀を持つ男・朱武”、彼らが“龍の子”史進と出会うことにより、伏魔殿より目覚めた運命の悪魔星(あくまぼし)は、ようやく動き始めます。
『跳澗虎 陳達(ちょうかんこ ちんたつ)』
『白花蛇 楊春(はっかだ ようしゅん)』
『神機軍師 朱武(しんきぐんし しゅぶ)』
絵巻水滸伝(第1巻)
絵と文★正子公也
*『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を当時のまま、掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)