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2008年 06月 27日
SUIKO108 クロニクル 人物編・王進(第1巻)
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『水滸伝』に最初に登場する百八星は“九紋竜”史進ですが、最初に登場する“好漢”といえば──多くの読者が王進を思い浮かべるのではないでしょうか。
王進は、皇帝直属の軍隊である、禁軍の棒術師範を務めていました。この禁軍教頭とは、武官としての地位は低いものの、兵士の中から特に武芸に優れた者が選ばれました。
 王進は兵士たちに棒術を教えながら平穏な日々を送っていましたが、ある時、新しく殿帥府太尉となった高キュウとの遺恨により、都を追われ、逃亡者となってしまいます。
 執念深い高キュウは王進の首に懸賞金をかけ、王進は宋国を当てどなく逃避行を続けます。そして、その途上に出会ったのが、全身に九匹の竜を刺青した若者──“九紋竜”史進でした。
 自己流の鍛練をする史進に、王進は希有の才能を見出します。史進もまた、王進の今までの師匠にはなかったものを感じ取り、月下に師弟の礼を取ります。
 その後、王進は史進を最後の弟子と決め、武芸十八般の神髄を伝授することになります。すでに自分の人生には何の希望もないことを悟っていた王進は、若い史進に自分の武芸、そして、あったはずの未来を託したのかもしれません。
 やがて史進がすべての武術を修めると、王進は史家に累が及ぶことを恐れ、再び逃亡の日々へ旅立っていきます。
 人格、武芸ともに優れた王進の印象は鮮明です。彼がいつ再登場し、どうやって梁山泊入りするのか、楽しみにしていた読者も多いでしょう。
 しかし、多くの人々が、好漢たちを梁山泊へ導くために登場し、そして去っていったように、王進もまた何処へか去り、二度と物語に現れることはありません。

  絵巻水滸伝(第1巻)

by suiko108blog | 2008-06-27 01:49 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


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