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2021年 12月 09日
英語で好漢(108)
ついにやってきました……!
2021年中に終わるか?と心配していましたが、おかげさまで完走できました。
108星最後の男が、ひっそりと登場です……いや、最後ゆえに、かえって目立つ?


The Dog Star
among the stars of earth
The Blondy Dog「ザ・ブロンディ ドッグ」

星も“いぬ”なら、あだ名も“いぬ”
“梁山泊のイッヌ”もしくは“ブロンディ”こと、「地狗星 金毛犬 段景住」です。
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黄金の犬なら、かっこいい感じなんですけど、「犬」はあまり良い意味に使われないのが残念。
「~の犬」だの「犬死に」だの、家畜やスパイ、卑下の意味で使われることも多くあります。
犬派のみなさんには腹立たしいですね!
段景住は、ワンチャンの「忠実、誠実」な部分を強く持っている男です。
友達になったら心強いんですよ。

ところで、「犬」の字は、象形文字だそうですが……うーん、どう見れば犬になるかな?
ちなみに「狗」は「小犬」になります。
ですので、“小狗”はほんとうに「こいぬ」というニュアンスですね。

さて!
ご好評を頂いた「英語で好漢」も、いよいよ最終回……ではありません。
実は、あと一回ありますよ!
誰かな?


He was the one hundred and eighth companion and a Head of the Infantry.
He has a special role in the secret service communicating secret documents.
He was a red head, with a blond beard and so was called 'The Blondy Dog'.
Originally he was a thief, horses being his speciality.
One day he obtained a gift for respectable 'Welcome Rain'.
He succeeded in stealing a horse from the Prince of Gin country, the famous 'Night Glow Lion'.
It was taken from him in the middle of his journey to the Liang-Shan Helikon.
He went on to the Helikon to tell the whole story and joined the warriors.
He often bought good horses for the warriors and earned their favour.
He died at the battle of Hang state during the Dark Guru War.

※『絵巻水滸伝』の好漢のあだ名の英訳は、パール・バックの訳を基礎に、絵巻オリジナルを加えています。
英国在住の作家で、語学とセンスに優れた入江敦彦先生には、多大なご協力をいただきました。


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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-12-09 18:01 | Suiko108 クロニクル | Comments(4)
Commented by 雲海 at 2021-12-09 21:27 x
こんばんは。
完走おめでとうございます。そしてお疲れ様です。
と、思ったらもう一人・・・あの大兄貴でしょうか。
段景住、本当に神秘的な好漢に仕上がったように
思います。絵巻水滸伝は本当に好漢一人ひとりの
登場が新鮮で、常にわくわくさせてもらいました。
一部で読み進める時にここで登場か!と嬉しく
なったものです。
段さんは本当にいいひとでした。それでいて神秘的な
背景もあり、絵巻水滸伝の中でも味わい深い好漢に
昇華したように思います。

Commented by しろうさ at 2021-12-10 07:31 x
おはようございます。
「天狗」という言葉もあり、そもそも中国では流星を意味するもの……と考えれば、もしかすると好漢達の名前の意味は私達が考えるよりもはるかに深い意味があるのでは……?と思います。
天狗(犬)が日食や月食を起こすという話が明朝の頃に登場したようで、これも影響しているのかなぁとか、水滸伝の作者、設定盛りすぎで頭を抱えたのでは?とか思ってしまいますね。

ん?犬つながりでこれが南総里見八犬伝に繋がっていくのか……。
Commented by suiko108blog at 2021-12-10 09:36
> しろうささん
おはようざございます!
しろうささんは、ほんとうに物知りですね。勉強になります!
水滸伝、いろいろな時代のさまざまな作者の思いだの知識だのが詰め込まれていますから、解釈にはほんとう終りがないですね。
ここで書いている解釈は、結局は絵巻のもの。みなさん自由に独自の想像をふくらませていただきたいです。
Commented by suiko108blog at 2021-12-10 09:42
> 雲海さん
ありがとうございます。
ついに終りましたー!次の方は、おっしゃるとおりです。
段さん、味がありますよねえ……。
登場から、最後まで神秘的でした。席次についても、なんでしょう……彼なら、108位しかない、ように感じます。
みんなの最後に、そっとやってきて、無言で寄り添ってくれるような……やはりワンチャン?
そんな、絶対に去っていかない最後の友達、的な優しさがありましたね。


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