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2021年 11月 09日
英語で好漢(103)
好漢と打とうとすると「向寒」が変換されてくる季節になりました。
今年もあと二カ月!
『絵巻水滸伝』が完結してから半年がたったわけですが、なんだかもっと昔のような気がします。
書籍の制作も少しずつすすんでいます!
またご報告していきますので、懐かしい好漢たちに会えるのを楽しみにしていてくださいね。

そして、年末に向けて『英語で好漢』もカウントダウン。
あと6人となりました。

それでは、今日の姐御に御登場願いましょう。


The Strong Star
among the stars of earth
Dame Salome「ダーム サロメ」

ざっくり言うと“ストロングな貴婦人”──「地壮星 母夜叉 孫二娘」です。
英語で好漢(103)_b0145843_15260597.jpg
“サロメ”については、説明は必要ないでしょう。
思いどおりにならない意中の男・預言者ヨカナンの首を手にする彼女の、魅惑的な絵画の数々を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
“二竜山”のあのシーンは、やはりオマージュ?)
“Dame”はあまり聞き慣れない単語かもしれませんが、辞書によると「騎士に相当する位をもつ貴婦人」とのこと。
有名なノートルダム寺院の「Notre-Dame」フランス語で「我らの貴婦人(聖母マリア)」という意味になります。

恐ろしさと妖艶さを兼ね備えた追剥界の“お嬢”孫二娘には、なかなか相応しい称号ではないでしょうか。
(もし、張青が入り婿を断っていたら……!)

She was the hundred and third companion.
She had a pub in the west end of the Liang-Shan Helikon along with her husband 'Farm Master'.
She learned her fighting technique from her father who was a cunning highway man.
She was a truly untrustworthy pub landlord in Golgotha in Meng state.
She often killed travelers for their money; and, by god, she made sausages from their bodies.
Her nick name was indeed 'Dame Salome'. She and her husband joined the Liang-Shan Warriors together.
She had her own private, women's army 'the Amazons'.
Her army fought well in many battles. She died at the battle of Clear-Valley province during the Dark Guru War.
A shooting sword thrust into her and she fell down in a sea of her own blood.


※『絵巻水滸伝』の好漢のあだ名の英訳は、パール・バックの訳を基礎に、絵巻オリジナルを加えています。
英国在住の作家で、語学とセンスに優れた入江敦彦先生には、多大なご協力をいただきました。


英語で好漢(103)_b0145843_18581166.jpg
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-11-09 15:27 | Suiko108 クロニクル | Comments(4)
Commented by 雲海 at 2021-11-09 21:39 x
こんばんは。
そうか、ストロングな星ですか。
サロメを持ってくるとは、唸りますねぇ。
絵巻水滸伝完結からもう半年ですか。
でも、雲海には扉を開けよ!の声はひんぴんと
聞こえてきます。コロナで世の中酷いのですが
まつりごともダメダメですよ。弱い人たちは
ちっとも救われてません。
好漢は復活し暴れる日が来ると思いますよ。
P.S
ヨカナンの首と聞きますと横溝正史先生の屈指の
名作「真珠郎」を思い出します。
冒頭で空の雲がそんな風に見えるという不吉なイメージ
がありまして、猟奇的な恐ろしい事件に主人公が巻き込まれていきます。
Commented by suiko108blog at 2021-11-10 09:34
> 雲海さん
孫二娘のあだ名は入江先生のセンスなんですよ、さすが!
時間のたつのが早すぎて、気がついたらお正月になっていそうな勢いですね。
扉を開かねば!と焦るばかりです。
ほんとうにイロイロあって……バーンと新しい扉を開きたいものですよね。
洪太尉カモン!
雲海さんは横溝先生も守備範囲でしたか!岡山ゆかりでもありますし、件の「真珠」読みたくなりました。しかし、やはり猟奇的なんですね……
Commented by 雲海 at 2021-11-10 21:54 x
こんばんは。
そうです。思えば中学生の頃、古谷一行の
金田一耕助シリーズで惚れてしまいました。
なので、大人になったら金田一耕助になりたい!と
思うておりました。頭良くて優しくて事件を
バーンと解決! とはならなかったですねぇ。いやはや。
真珠郎は犯人やトリックがかなり鮮烈です。
名探偵は由利麟太郎です。
一読、お勧めですよ。猟奇もそこまできつくはなかった
かと記憶しております。妖しいムードの漂う
カバーの杉本一文先生の絵もまた魅力でした。
注:読むときはこのカバー外して読後に改めて
鑑賞するといいと思います。このカバーつくづく見ま
すとネタバレを見つけてしまうかもしれませんので。
P.S
やはり水滸伝の名探偵役は裴宣かな?
ワトソン役は楊林でしょうか。

Commented by suiko108blog at 2021-11-11 09:22
> 雲海さん
そうそう、映画ならたくさん見ました!いろいろな金田一さんがいましたが、やはり古谷一行ですよね。
雲海さん、あの格好似合うのでは!?
岡山に横溝祭(?)というのがあって、登場人物のコスプレをした人々が大集合するらしいです。ぜひいつか参加を!
そういえば、学生時代の友達が横溝迷で文庫を揃えていましたが、表紙も独特でした。「真珠郎」、気になる……。
名探偵・裴宣&楊林、これはワクワクせずにいられませんね。読みたい!


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