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2021年 09月 05日
英語で好漢(96)
9月になりました!
夏が終わったのかどうか分からぬうちに、秋の長雨……寒いくらいになりましたね。
スーパーでもらえるクーポン券も、さっそく「こなべっち」になっていましたよ。
とはいえ蝉もまだ鳴いているし、なんだか不思議な季節です。

『絵巻水滸伝』の好漢のあだ名の英訳は、パール・バックの訳を基礎に、絵巻オリジナルを加えています。
英国在住の作家で、語学とセンスに優れた入江敦彦先生には、多大なご協力をいただきました。

それでは、夏の終りの好漢は──?

The Serving Star
among the stars of earth
Hell's Summoner「ヘルズ サマナー」

“地獄の召喚人”とは、物騒なあだ名が出てきました!
罪人どもを地獄に呼び出す男といえば、「地奴星 催命判官 李立」ですね。
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判官とは裁判官のこと。
李立は人を地獄にしょっぴいて容赦なく裁きを下す、冥界の料理人だったわけです。
一応、選んでいた他の居酒屋組に比べると、李立は手当たりしだい……の印象があるんですが、どうでしょう。
李俊がいなければ、宋江もバッサリやられていましたからね。
呼び出しに「待った」をかけてくれた李俊に感謝!

その李立も、水鬼の女からの“呼び出し”に怯えていましたが……。
中国では、首吊りした幽霊、入水した幽霊、虎に殺された幽霊、
みな次の犠牲者を見つけなければ成仏できないとされています。
水鬼に見入られたら、同じように水に飛び込んでしまう──李立でなくても、怖いですね!


He was the ninety sixth companion.
He had a pub on the north side of the Liang-Shan Helikon.
He worked at organizing banquets and gather information.
He was a tall guy with blood red eyes.
His nick name was 'Hells Summoner'.
Originally he was an untrustworthy pub owner, selling drugged drinks to travelers and killing them.
One day he sold a drugged drink to ' 'Welcome Rain'.
'Liviathan' was suspicious and did not rob 'Welcome Rain' as usual.
This was the beginning of his relationship with the Liang-Shan Warriors, he changed his mind after having crossed them.
He joined the rescue team when 'Welcome Rain' was trapped in Jiang state. He became a Liang-Shan warrior when they were on their way to victory.
He died at the battle of Clear-Valley province during the Dark Guru War.

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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-09-05 17:30 | Suiko108 クロニクル | Comments(4)
Commented by 雲海 at 2021-09-05 21:23 x
こんばんは。
しかし、水滸伝って。
宋江は首魁の星なのに、結構他の星におびやかされる
んですよねぇ。それが魔の星の恐ろしさでも有るのかナ。
最期の戦いで結構謎の死を遂げたのは、彼も召喚されて
しまったのかもですねぇ。やはり水鬼さん、きっと
来てしまったのでしょうか・・・。
PS.
中國の幽霊・・・個性的で怖い話多いですよねぇ。
因みまして、日本の幽霊のお話を一つ。
高知の伝承で七人ミサキという亡霊がいますねぇ。
これは常に七人で行動しているので一人引き込むと
一人成仏するので、常に七人のままなのだ、そうです。
李立は、なんかこういう話が似合いますねぇ。
Commented by suiko108blog at 2021-09-06 09:45
> 雲海さん
おはようございます!
そうですよね、宋江がピンチになるたび仲間が増えますが、そのピンチをもたらすのが、仲間なことも多々……。
彼らはお互いに試練を与えあうことで、宿業を解いていたのかもしれません。
李立の死については、やはり“召喚された”という感じがしますね。どうやって死んだのか誰も知らない、というのが、いかにも李立らしいではないですか。

七人ミサキ!呼び名からして恐ろしい……!
思わず検索してしまいましたが、戦国時代ゆかりだったりするんですね。7人というのが怖い。闇の北斗の党!?
これは会いたくないですね……高知に行ったら気をつけます。(親指を隠せばいいんですよね!?)
Commented by しろうさ at 2021-09-07 18:25 x
>首吊りした幽霊、入水した幽霊、虎に殺された幽霊、
みな次の犠牲者を見つけなければ成仏できない

ええ……それでは、李逵のお母様は、お母様は一体……(>_<)
あれ?でも入水といえば屈原さんがいるわけで、きちんと供養すれば成仏できるのか……な……?
(怖いのは苦手なのでこのへんにしておきます)
Commented by suiko108blog at 2021-09-07 19:46
> しろうささん
首吊り鬼は長い舌を垂らしているとか、水鬼は水面に立ったままニコニコ笑いながら流れていくとか、ビジュアルもすごく怖いんですよー!
屈原さんがそんなふうにならないように、みなさん必死で弔っているのかもしれませんね。
虎に殺されると虎の手下になってしまい、人を騙して虎に食べさせちゃうそうですが……その虎を李逵がやっちゃいましたからね、大丈夫!


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