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2021年 07月 20日
森下翠からご挨拶~旅のおわり、そして“梁山泊”へ
23年!
誰がこんなに長くなると想像していたでしょう。
正子先生の記憶によると、3年から5年で終わる──というような大ボラを森下は堂々と吹いていたらしいです。
すみません、まったく記憶にありません。
実のところ、何年で終わらせなければならないとは、一度も考えたことがありませんでした。
それはまさに『水滸伝』からの、もしくは好漢たちからの、
「これを書いてくれ」という声に導かれ、書くべきことを書いてきた結果──としか表現のしようがありません。
時には苦しいこともありましたし、本当に完結させられるのかと迷った時もありました。
そんな時も、諦めずにとことん付き合ってくれた正子先生、読み続けてくれた読者の皆さん、
そして、はやく終わらせて、と一度も言うことなく、
100パーセント持ち出して支援を続けてくださったキノトロープ社の生田社長。
関わってくれたすべての人に、心からの感謝を捧げます。

『絵巻水滸伝』の旅路は、好漢たちが苦しみ、戦い、出逢い、集まっていく──その旅そのものでした。
すべての出逢いが、この作品が生まれるための奇跡です。
キノトロープ社、正子公也、森下翠という偶然の細い糸で繋がったメンバー。
ほとんど告知もしていないのに、縁あって作品に辿りついてくれた読者のみなさん。
偶然に偶然が重なって魁星出版が誕生し、一通のメールから人民文学出版社と繋がりました。
数えきれない人が、目に見えるもの、見えないもの、たくさんの支援をしてくださったことを覚えています。
『絵巻水滸伝』こそが、私の“梁山泊”でした。

物語は終わりました。
しかし、いま私が感じているのは、これで終わりではないということです。
方臘篇の書籍は年内の刊行開始を目指しています。
物語が完結したことにより、今後の展開にも期待しています。

そして、みなさんが一番、知りたいのは「後伝」があるかないかだと思います。
あるともいえ、ないともいえます。
というのも、もしなにか続編的なものがあるとしても、「水滸後伝」や「説岳」に則した内容にはならないからです。
それは、おそらく、それらを部分的に含んだ、「兩宋興亡記」のようなものになるでしょう。
各地に残っている好漢たち、海外に渡った李俊一派、そして元気一杯の二世たち。
北へ拉致された二帝、金奴姫や宿太尉。抗金の軍を起こす、岳飛、韓世忠ら──と役者は揃っています。
大好きなダルタニヤン物語の続編、「20年後」「15年後」のような壮大な歴史絵巻になったら、
それは私自身も読みたいです。
もっとも、これはまだ夢の話なので、気長に待っていただければ幸いです。

どうぞ皆さん、お元気でいてください。
好漢たちの旅は、みなさんと共に、これからも、ずっと続いていきます。
我々の新たな“梁山泊”を目指す旅に、一緒に踏み出しましょう。

『扉を──開けよ!』


         2021年7月吉日 於東京

               森下 翠 

『絵巻水滸伝/第132回「星ノ章~水のほとりの物語(七)家路・後篇公開中! キノトロープ/絵巻水滸伝


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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-07-20 00:00 | 絵巻水滸伝 | Comments(6)
Commented by あーる at 2021-07-20 00:52
こんばんは。
ついにこの時がきてしまった…
ここ数ヶ月は寂しさが勝って
噛み締めるように拝読してました(;ω;)

友人とのゲームで始まった私の水滸伝。
想像してた好漢がそのまま絵になっていた
梁山豪傑壱百零八の衝撃や
パソコンを手に入れて
自由に絵巻が読めるようになった時の喜び、
代官山のイベントで
初めて両先生にお会いしてからは
すっかりその人柄に魅了されてしまいました。
そして立川のイベントでお会いした
魯智深のようなキノトロープの生田社長(汗)
数あるグッズの中でも
ジークレーは一番の宝物です。
歴史に残る素晴らしい水滸伝を
本当にありがとうございました。

絵巻物は漫画や小説にない魅力がある。
水滸伝は完結しましたが
また先生の絵巻物が読める日を
楽しみにしつつ、
まずは方臘篇、そして外伝の書籍化‼︎
長岡はいづれ行くとして、
中国の画集& 梁山出陣図を
どうにかしたい…(-_-;)
Commented by しろうさ at 2021-07-20 07:23
先生方、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。
もちろん、続編を期待してはいますが、何よりも「つくりたいもの」に忠実になってほしいと思います(いや、確かに続編は楽しみなのですが、私が言うのもアレなんですが、物語の登場人物が囁いてくる瞬間ってあるので、その声に忠実に……)。

話はずれますが、「ゲームから」始まった人は私だけじゃなかったんだ……とちょっと嬉しかったです。
あなたの水滸伝はどこから?っていう話は盛り上がるかもしれませんね?
Commented by suiko108blog at 2021-07-20 11:43
> あーるさん
あーるさんと一緒に完走できて、本当に嬉しいです!
そんな昔から読んでいただいて、その間、いろいろな事がありましたよね。
はじめてあーるさんとお友達に会った時のことは、今も覚えています。
(生田さんは、ますます魯智深のようです!)
みなさんに励まされて、宋江はじめ好漢たちは最後まで今回の旅を続けることができました。
あーるさんもとっくに好漢のひとりですから、これからも我々は一緒です!

Commented by suiko108blog at 2021-07-20 11:47
> しろうささん
あたたかい労い、ありがとうございます!
ゲームから入った人は、実はけっこう多いかも?
攻略本で正子公也を知った、という方には今もよく出逢います。
みなさんに、「我が水滸伝の歴史」を大いに語ってほしいですね……きっと色々なエピソードがあるはず!
続編(?)へのお気遣いもありがとうございます。絵巻がそうであったように、すべては天と縁にお任せですね。
森下先生は自分が本当に書きたいものしか書かないし……(その結果が23年!?)
これからも、絵巻の旅路を見守ってください!
Commented by 雲海 at 2021-07-20 22:26
森下先生、お疲れ様でした。
絵巻水滸伝を読めた時間はとても幸せな時間でした。
先生のおかげであのむくつけき漢どもに沢山の
花があったように思います。
ひとりひとりの好漢の掘り下げや、ちょっとした
描写がとても嬉しかった。
先生にお会いした時は慧鳳さんをなんとなく
イメージしておりました。イベントでお会いした時は
いつも温かく、気さくなお言葉をかけていただいて
本当に嬉しかった。感謝の極みです。
「後伝」先生の中で降りてくるのをのんびり待っております。
>ゲームの水滸伝
実は雲海は何も知らずにこのゲームをやってました。
友人が三国志マニアだったのでじゃあ、私は水滸伝と
つまんない向こうウケだけでプレイしてました。
だんだん、人物に興味でてまいりまして、講談社駒田先生を一気読みして、入門を果たしました。
後年、先生の画集を見つけ、絵巻水滸伝を見つけ~。
思えば、このPC8801のゲームが(若い子は?でしょうねぇ)絵巻水滸伝につながるとは、誰が思ったでしょう。
ちなみにいまでもフロッピーあります。ハードは無いけどネ。
Commented by suiko108blog at 2021-07-21 09:15
> 雲海さん
おはようございます。
こちらこそ、雲海さんの笑顔にたくさん励まされました!ずいぶん遠くまで来ていただきましたよね。改めて、ありがとうございます。
そして、段のアネゴじゃなくて良かったです!

suiko108はゲームをやらないのですが、みなさん、光栄のゲームでしょうか?正子先生もやっていたそうですよ。今も、「あれは名作だった」と言っています。koeiさんは、もう作る予定はないそうですが……みんなが楽しめる絵巻水滸伝のゲームができたらいいですよね!


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