人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2021年 07月 14日
『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(四〜六) 
『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(四) 

(わたしの願いは、ただひとつ)
 宋江は、風の声を聞いた。
(すべての命が、希望をもって生き、満ち足りて死んでいくこと)
 花々の歌を聞いた。
(ひとりの愛しき子のために、よい世界を)
 金色に輝く野原を、その狭間の細道を、宋江は確かな足どりで歩いていった。
(すべての、命あるもののために、よい世界を)
 それだけを願い、たったひとり──黄昏が照らす、その道を。
『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(四〜六) _b0145843_23410205.jpg

『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(五) 

 盧俊義は、風に運ばれるように船縁へ近づいていった。もうすぐ、盧州の山々が見えるはずだった。
『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(四〜六) _b0145843_23410288.jpg
(わしは、救うのだ)
 盧俊義は、手さぐりで懐に宸筆があることを確かめた。
(こんどこそ、わしは、救える)


『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(六) 

 それは、落雷ではなかった。
 ひとすじの光が、ひとつの峰の頂きより、天空に向かって迸った。
(流星!)
 馬霊は目を見張った。
『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハイライト(四〜六) _b0145843_23410370.jpg
「星が、天へ……」
 その星は天空で三つに別れ、金色の軌跡を描いて──消え失せた。



絵巻水滸伝/第132回「星ノ章~水のほとりの物語(六)家路・中篇』公開中! キノトロープ/絵巻水滸伝



『絵巻水滸伝』Web更新日のお知らせ_b0145843_18581166.jpg
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。


by suiko108blog | 2021-07-14 00:00 | 絵巻水滸伝のススメ | Comments(0)


<< 『星ノ章~水のほとりの物語 第...      『絵巻水滸伝 第百三十二回』ハ... >>