あだ名の“石将軍”とは、民間の辟邪の神の名前である。
これを置けば、魔が避けて通るという。
彼は、もとは漂泊の賞金稼ぎであり、動きは敏捷で、縄票の名手でもあった。
平生は言葉を発すること少なく、感情を現すことのない男だったが、
かつて恩を受けた宋江には身に代えても忠義を尽くすと誓っていた。
情報収集能力に長け、また人の隠れた善悪をよく見抜くことができた。
その姿は綺羅星のごとき好漢の中では目立たなかったが、
その存在は影のごとく常に梁山泊を見守っていた。
彼は梁山泊に邪を忍び込ませぬための寡黙な石の守り神となろうとし、
それを貫き、最期はついに石敢当となったのである。