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2021年 06月 04日
絵巻水滸伝人物名鑑[完全版]其之四十三
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 第44位 地奇星“聖水将軍”単廷珪
(ちきせい せいすいしょうぐん ぜんていけい)

水攻めを得意とするため、“聖水将軍”のあだ名で呼ばれた。
もとは凌州の兵馬団練使で、“神火将軍”魏定国とは同僚であった。
戦闘でのいでたちは黒ずくめで、黒い甲冑に黒絹の戦袍を身につけていた。
水牛船団を率い、水上で工兵を指揮して、水を自在に操った。
彼は梁山泊の北を守る水の神・河伯であった。
ふだんは静まった水面のごとく冷静寡黙で、策を行う時は怒濤のごとく果断であった。
魏定国とは火と水のごとき気質の違いがあったが、ともに相克することなく、
しばしば共に行動し、冥府に赴くのもまた、時を同じくしたのである。
水火ともに土中に滅す。奇なる哉。


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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。



by suiko108blog | 2021-06-04 00:00 | 絵巻水滸伝人物名鑑[完全版] | Comments(2)
Commented by 中道 at 2021-06-05 20:38 x
こんばんは、お疲れ様です、今日は昨日と打って変わっていい天気で洗濯物がよく乾きました、感謝ですね、
さて聖水将軍です、初めて水滸伝を読んで神火将軍の”猛”に対し”奇”というのがどうもしっくりこないと思いました、
例えば、先の門神の二人、”魔”と”妖”はいかにも対になっているとしっくりきたのですが、”奇”というと奇怪など
なにかおどろおどろしいイメージでしたが、絵巻水滸伝を読んで、違うことに気が付きました、彼の寡黙で誠実な性格、
そう彼の”奇”は奇特の”奇”でした、最後は命に代えて兄弟のために道を作り、後ろから来たこれまた生真面目で誠実な
鎮三山殿が「”奇”なりー」と思わず嘆じた気持ちがわかる気がしますね。
水火ともに土中に滅す。奇なる哉。名文ですね、この”奇”は不思議な巡り合わせの奇遇の”奇”ですかね?
                                                                                                                       
Commented by suiko108blog at 2021-06-06 11:31
> 中道さん
こんにちは。
洗濯物が乾くと嬉しいですね!こちらは梅雨になりそうでならない日曜日です。
原典の単廷珪は水攻めをしないことで有名(?)ですからね……これも「奇」でしょうか。
なぜ「猛」と「奇」なのかという視点も、さすが中道さんですね。天なら、秦明と劉唐ですけど。それぞれ、勇猛果敢、奇想天外、そんなイメージの男たちでしょうか。燎原の火のごとく……と真っ直ぐに突き進む。水が器の形にしたがうように、変幻自在。
「奇」という字じたい、いろいろな解釈ができますね。
そこも、まさに「奇」。
どう解釈するか、その答えは、きっと人によって違うし、それぞれが正しいのでしょう。


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