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2021年 06月 02日
英語で好漢(84)
“四海兄弟”の旗を掲げ、世界へ乗り出そう『絵巻水滸伝』!
好漢に国境なしの信念のもと、今週も粛々と訳していきますよ。

『絵巻水滸伝』の好漢のあだ名の英訳は、パール・バックの訳を基礎に、絵巻オリジナルを加えています。
英国在住の作家で、語学とセンスに優れた入江敦彦先生には、多大なご協力をいただきました。

それでは、今週の好漢は……ひっそりと登場……?

The Obscure Star
among the stars of earth
The Pale Tiger「ザ・ペイル タイガー

梁山泊には“虎”がたくさんいるわけですが、顔色の悪い虎といえば、「地幽星 病大虫 薛永」ですね。
英語で好漢(84)_b0145843_00131401.jpg
星である“Obscure”の意味は、ぼんやり、あいまい、はっきりしない、人目につかない、隠れた、薄暗い──。
薛永ー!

あだ名の“病”も、同じような意味ですね。顔色が黄色いとか、もどきとか……。
薛永──ッ!

まぁ、初登場が穆春に因縁をつけられるというアレですからね。
ちいさい方の“遮るものなし”に遮られてしまうという……。
李忠とは別の意味で、地味を絵に描いたような男。
「気を落とさないで」と慰めても、「いえ、いいんです」と寂しく微笑む薛永です。

よく見ると男前。育ちが良くて心優しい。棒が使えて、薬の知識もあり、犬を飼っている。
こんなにモテ要素がある好漢、梁山泊でも珍しいですよ。
少女マンガなら大人気まちがいなし!
それなのに……すべてが、ぼんやりとした印象で人目につかず、パッとしないことが宿命の男。
(実際、108人のコラージュ画像で、ひとりだけいなかった過去あり)

そんな彼が一躍、脚光を浴びる外伝は、絵巻水滸伝サイトの『絵巻水滸伝』20周年記念企画でいつでも読めますよ。



(まだの方は是非!)

さすが金奴姫、目が高いです。



He was the eighty fourth companion and a sergeant in the infantry.
His nick name was 'The Pale Tiger'.
Originally he was born into an upper class officer family.
After his family was ruined he descended into selling herbal medicines.
He and 'The Invulnerable' went to Jiang state to rescue 'Welcome Rain'; when that admired guy was about to be suspiciously executed after a coup d'etat.
He joined the Liang-Shan Warriors at that time.
He was killed by an enemy arrow at the battle of Shiny-Horn barrier during the Dark Guru War.



英語で好漢(84)_b0145843_18581166.jpg
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-06-02 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(6)
Commented by 雲海 at 2021-06-03 22:27
こんばんは。
薛永-ッ、叫んでみたくなりますねぇ。
川で溺れてすぐ、風邪ひいちゃったりねぇ、
彼の顔を見ますと、若き日の松山政路を
思い出してしまうんですねぇ。
ともあれ、外伝でそんな彼にスポットがあたる。
絵巻水滸伝は素晴らしいですねぇ。
Commented by suiko108blog at 2021-06-04 09:36
> 雲海さん
派手な不幸の星が楊志なら、薛永は地味な不幸の星ですね。
そうそう、風邪も引いていました!体も弱い……そっちの“病”!?
松山政路……お兄さんの方は分かったんですが、弟さんの方は分かりませんでした。雲海さんは俳優さんにも詳しいですね。
外伝の人選は、けっこう二転三転したんですよ。最初に史進が「オレが!」と出できて、「しかたねーなー」とほかの仲間がついてきて、最後に薛永が密やかに現れんだったかな?その時には、姫とああなるとは誰も想像していませんでした。しかも、あのメンツが、あそこのメンツ……これも殆ど偶然なんですよ。あの箇所に外伝が入ることになったのも偶然でした。またしても水滸伝の謎の誕生です。
今日は全国的に嵐ですね。どうぞ、お気をつけて!
Commented by 雲海 at 2021-06-04 23:37
こんばんは。
雲海は、少年時代に、リバイバルで70年代くらいの
時代劇や横溝正史シリーズなどなどを見てしまって
昔の俳優さんたちが大好きです。もう、スタアとは
あのひとたちのことを言うんだなぁと。
絵巻水滸伝の好漢や他の登場人物もあの頃の俳優
さんたちと似たきらめきを感じます。
外伝のメンツは、うまく仕掛けているな、ニヤリと
しておりましたが、そんな鳥肌もののメイクでしたか。
これは好漢の魂の導きですねぇ。好漢はきっと
太古に存在していたのですねぇ。そして今も
誰かの中に息づき眠り復活を待っているのかも
しれませんねぇ。
Commented by suiko108blog at 2021-06-05 09:04
> 雲海さん
おはようございます。
おお……それは、正子先生と好みがバッチリ合いますね!
正子先生のアトリエには、まさにあのころのスタアたちの書籍や写真集がたくさんあるんですよ。扈三娘は原節子ですから。
その影響で、森下先生も好きな監督は岡本喜八と言ってはばかりません。
あの頃の泥臭い熱……惹かれますね。
好漢の魂は永遠です!
Commented by SKS at 2021-06-06 09:38
土田早苗がモデルだと思っていましたが、腹節子でしたか。
Commented by suiko108blog at 2021-06-06 11:32
> SKSさん
なんといっても、正子先生のイチ推し女優が原節子ですから……。
でも、ちょっと似てますよね、日テレ扈三娘。


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