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2021年 05月 26日
英語で好漢(83)
“四海兄弟”の旗を掲げ、世界へ乗り出しかけている『絵巻水滸伝』
好漢に国境なしの信念のもと、今週も粛々と訳していきましょう。

『絵巻水滸伝』の好漢のあだ名の英訳は、パール・バックの訳を基礎に、絵巻オリジナルを加えています。
英国在住の作家で、語学とセンスに優れた入江敦彦先生には、多大なご協力をいただきました。

それでは、今週の好漢いってみましょう。
相棒の登場です!

The Magic Star
among the stars of earth
The Skyscraper「ザ・スカイスクレイパー」

“摩天楼”──といえば、“天に手が届く”大男、「地妖星 摸着天 杜遷でした。
英語で好漢(83)_b0145843_23513364.jpg
天を削ぐ超高層ビルです。
こうなると、相棒の宋万より大きな感じがしてきますね。
故郷の村から飛び出した不良少年が梁山泊に辿りつき、杜遷を見て「でかい!」とびっくりする様は、都会に出てきた若者が高層ビルを見て、その高さに唖然とする気持ちに似ているかしれません。
ちなみに、日本で一番高いビルは「あべのハルカス」300m、世界で一番高いのは、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」尖塔を含む高さが829.8mだそうです。
そのうち宇宙までエレベーターで行けるんじゃないでしょうか?


He was the eighty third companion and a sergeant in the infantry. His nick name was 'The Skyscraper'.
He was one of the oldest companions of the Liang-Shan Warriors, from the days of 'Bachelor White'.
At that time he was number two.
He was trampled to death by an enemies horse during the battle of Clear-Valley province during the Dark Guru War.



英語で好漢(83)_b0145843_18581166.jpg
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。




by suiko108blog | 2021-05-26 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(4)
Commented by 雲海 at 2021-05-26 22:13
こんばんは。
杜遷、宋万、謎な漢たちですねぇ。
他の好漢たちって意外と過去がそれとなく
はいっていまして、兄弟の好漢たちでも
背景が解るんですけど、意外とこの2人って
何だろうな? ってところありませんか。
故にすごく想像が膨らんでしまいますねぇ。
梁山泊に最初からいたというのも、それが
余計に隠されて不思議な気がします。
宿星だって、ミステリアスですよねぇ。
PS
冷たい泉に素足をひたして、見上げる
スカイスクレイパー
この歌でこの単語を覚えましたよ。
杜遷はちょっと平成ですねぇ。
Commented by 中道 at 2021-05-26 22:54
こんばんは、お疲れ様です、そうなんですね「あべのハルカス」が日本一なんですね、真下から見上げるとうしろにひっくり返りそうになりますが、
まだ上ったことはありません、地元民はいつでも行けると思うと、いつまでも行かないもなんですかね、そんなものかもしれません 笑。
さて相方は「ザ・ジャイアント」とシンプルなだけに「ザ・スカイスクレイパー」との対比が面白いですよね、でも魔・妖も惑わす、あやしいと
梁山泊の兄弟たちは、みな仲がいいですが、この二人は本当の兄弟以上の宿星を持っているんだなと、相方が先陣を切って帰っていってしまったので、
彼も早く帰りたくて彷徨っていたのかな、今また相方に会えて、「宋万よ、あそこの妓楼は楽しかったのう」「杜遷よ、また行きたいもんじゃのう」
なんて会話が弾んでいるのでしょうか?笑。
Commented by suiko108blog at 2021-05-27 10:49
> 雲海さん
そうそう!プリプリ!確かにそうです!
やっとこのブログも平成まで追いついた!?
二人合わせて「妖魔」の星……梁山泊に魔星が集まるという運命の象徴のような二人ですね。
あるいは、梁山泊の門神でしょうか。
そんな二人がすごく仲がよかったのが、なんだか嬉しというか、切ないというか……宋江ではないですが、ほんとうに「いるだけ」で、そこが“梁山泊”になるような、不思議な存在感のあるふたりでした。
そう思うと、宋万が最初の戦死者のひとりとなり、杜遷が最終戦で死ぬのも、なんだか象徴的に感じられますね。
Commented by suiko108blog at 2021-05-27 11:00
> 中道さん
これからアベルハルカスを見たら「杜遷アニイ……」と(心の中で!)呼びかけてあげてください。
そうそう、東京民も東京タワーやスカイツリーに行ってなかったりします。そういうものですね。
雲海さんも書かれていますが、この二人の過去って、どうだったんでしょうね。
昔からの知り合いで、一緒に梁山泊に来たのか、それとも梁山泊で出会ったのか……。
この二人の特徴って「朴訥」「不器用」かなと思うんですが、社会ではあまりうまく暮らせなさそう。かといって、裏社会でも芽が出ない……できるのは闇カジノの用心棒くらい?
きっと、語るほどもない事をいろいろして、ぐうぜん梁山泊に辿りついたんでしょう。
そして、双子のように分かり合える相棒に出会って、それだけで二人はすごく嬉しかったんじゃないでしょうか。梁山泊は、二人がやっとみつけた自分の居場所で、もうそれだけで満足。どんどん席次がさがるとか、そんなことはどうだって良かったんです。
いまはまた二人になって、思い出話に花を咲かせていますね。この二人には、楽しい思い出しかないような気がします。


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