軍官の家の出で、武器は鉄棒を得意とする。また鉄槍の使い手でもある。
あだ名の“摩雲金翅”──「天かける金翅」の金翅とは、伝説の怪鳥の名。
力が強く、また身ごなしが敏捷なため、そう呼ばれるようになった。
もとは長江の守備にあたる下士官だったが、陥れられて部下を失い、黄門山で盗賊の首領となった。
仲間には“神算子”蒋敬、“鉄笛仙”馬麟、“九尾亀”陶宗旺がおり、
いずれもきわだった個性の持ち主で“四怪”と呼ばれた。
欧鵬は知勇備え、冷静で、騎兵として善く戦った。
常に自ら死地に飛び込み、しばしば深手を負った。
彼の魂の傷はなお深く、あるいは死を求めたか。
いま、その大いなる翼は解き放たれ、黄金の鷹とともに天空を翔ける。