『絵巻水滸伝 第二部 招安篇3』ハイライト(17)
官軍の船隊は、葦原を焼き払う火が収まるまで停泊して待った。
火が収まると、水面に灰を撒きながら進んだ。残り火が水面に鬼火のように燃えていたが、船体に鉄板を貼っているので、船に燃え移る心配はない。
葦原には残骸が燻りながら浮かんでいる。焼け跡を抜けると、葦原の向こうでは逃げ延びた小海鰍船が数隻、呆然と波間に漂っていた。
葦原の向こうは、もうなにもない。徐々に梁山の峯が見えてきた。
黒煙の混じった空は、濁った血のようである。湖上を覆う熱と炎で、水雷がはじけて花火のように見えた。
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