『絵巻水滸伝 第二部 招安篇3 』ハイライト(10)
劉夢竜の傍らには、船大工の葉春が立っていた。
「江南には湖沼が多く、水賊どもが巣くっております。この“海鰍船”は、特に湖での戦闘に適しておるのです」
海鰍船は、今回の戦のために、特別に葉春が設計した船である。
葉春は放浪の船大工で、あだ名を“三千釘”と云う。俗語の“船底破れて船板あり、船板破れてなお釘あり”に由来する。初めは葉春の船の沈みにくいことを褒めたあだ名であったが、彼の人生もまた、同様であった。
『絵巻水滸伝 第二部 招安篇 』発売中

絵巻水滸伝第二部書籍と第一部書籍新装版のお求めはこちら!

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。