『絵巻水滸伝 第二部 招安篇2 』ハイライト(12)
落水渡には、呼延灼に殺された荊忠の代わりに、楊温が移動していた。“攔路虎”──“障害物”とあだ名される、節度使中でも特に粗暴な男である。
楊志と同じ楊家の一門の出で、楊家槍の使い手でもあった。
楊家の名は、官界より山賊の中で幅が利く。楊温も山賊時代は“仲間たち”に恐れられた。“攔路虎”のあだ名は、民衆ではなく、同業の山賊たちがつけたものだ。仕事帰りに楊温に遇えば、必ず獲物を横取りされる。同業者に憎まれた楊温は、命を狙われるようになり、ある悪名高い賊の首領を殺したのを機に、招安を受けた。
(『第74回 壺中の天』より)
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