『絵巻水滸伝 第二部 招安篇2 』ハイライト(10)
(もう一人いたのか!?)
立ち上がった樊瑞を、四方から黄金の光が襲った。
樊瑞は水の中に叩きつけられた。顔を上げると、道士の側にもう一人、異相の男が立っていた。
逆立つ髪、爛々と輝く双眸──その額にはもう一つの目があった。ゆっくりと第三の目が開いていく。
「何者だ」
「“神駒子”馬霊」「知らぬ名だ」
「二度と忘れぬ」
馬霊の全身が黄金の光に包まれた。無数の光が流星のごとく樊瑞へ奔る。衝撃が樊瑞の体を貫いた。
立ち上がろうとする樊瑞の目に、再び光に包まれる馬霊が見えた。
「“神駒子”馬霊──またの名を“小華光”」
(『第74回 壺中の天』より)
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