『絵巻水滸伝 第二部 招安篇2 』ハイライト(7)
凌振は手にした線香に息を吹き掛けると、朱武に尋ねた。
「撃っていいかな」
「よし──いや待て!」
朱武は西方に目をやった。
「あれは」
呉用の目にも、西方より忽然と現れた軍勢が映った。正しくは、砂塵である。蒼穹と接する地平に燃える紅は、陽炎ではない。真紅の軍旗が見る間にこちらへ押し寄せてくる。
「あれは──官の援軍か」

(『第74回 壺中の天』より)
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