『絵巻水滸伝 第二部 招安篇Ⅰ 』ハイライト(2)
扉に隠れて中を覗くと、広間にはたくさんの椅子があり、“ 好漢” がずらりと並んでいた。
軍人風の男たち、太った僧侶、頭巾を被った読書人。いかにも山賊風の強面もいるし、お大尽、綺麗な若い女まで混じっている。

梁山泊は違う──と聞いていたが、確かに、そんな“ 山賊” を見たことがなかった。
中央の椅子に座っているのが“ 及時雨” 宋江に違いない。
(噂と違うぞ)

杓児と大柄の少年は顔を見合わせた。
梁山泊の首領、やがて天子になるのだという“ 宋江様” は、思い描いていた“ 英雄” でも“ 豪傑” でもなかった。小柄で太った中年の男で、中央の大きな椅子に座り、ただにこにこと笑っている。
「でも、おいらは好きだな」
(『第71回 浪子』より)

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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。