
ちょっと風の冷たい日でしたが、先週、上野の
東京国立博物館まで
『顔真卿』を見に行ってきました。
久しぶりの東博です。じっくり見ると、一日はかかってしまうので、まずは
特別展『顔真卿』の会場へ。

たくさんの書道作品が並び、漢字や書道の歴史を辿ることができます。
こちらは泰山にある石碑の拓本。大きい!

メインはもちろん顔真卿ですが、肉筆は数点しか現存しません。その中でも貴重な一点『祭姪文稿』が台北の故宮博物院から来日しています。
シャンシャンでもいるのか……という行列です。じっと並んで、見るのは一瞬!
もっとじっくり見たかった……。
というのも、書道作品というと、その端正な美しさや、精巧さ、正確さなどに驚かされるものですが、こちらは、普通は人目にさらされることがほぼないであろう、書いた人の魂の叫びが聞こえるような作品(といっていいのか……)なのです。
安史の乱で非業に殺された年若い甥(昔の中国語では、『姪』が甥です)を弔う文章の草稿には、心の乱れ、悲しみ、悔しさなどが滲み出ています。
こちらのフライヤーにデザインされている部分を見ても、その激しい感情が伝わってきますね。

顔真卿は唐代の士人。剛直な人で、権臣にうとまれてたびたび左遷され、叛乱では多くの一族を殺されました。そして、最後は自分も奸臣に陥れられ、殺されてしまいました。
その文字は、彼の壮烈な人生とはうらはらに、おおらかで、情があり、愛嬌さえ感じます。
機会があればぜひ作品にふれ、その生涯に思いを馳せてみてくださいね。
ご招待してくださった学芸員S氏、ありがとうございました!
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。