『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(43)
裸馬の男は、その梁山泊軍へ向かって突っ込んでいこうとするようである。魏定国は思わず目を疑った。包帯を巻いた、馬上の男──。
(まさか)
「“急先鋒”索超!!」
金蘸斧が朝日にきらりと輝いた。
「あやつは不死身か!!」
“急先鋒”索超は涿鹿原で負傷し、梁山泊の捕虜となりながら逃亡したのである。
林冲、楊志の姿を見つけた索超は、夢中で馬の腹を蹴った。名にし負う北京大名府の正牌軍が、今や裸馬と金蘸斧のみ。
「白衣の男!! 今日こそ決着をつけてくれる!!」
(『第70回 結集百八星』より)
『絵巻水滸伝/「第126回 憤怒ノ江、慟哭ノ嶮・中篇』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)