『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(40)
呼延灼は見た。
忽然と霧の彼方から現れた小舟──舳先に掲げられた小さな篝火の下に佇むのは、紛れもなく“及時雨”宋江──死の淵にあった梁山泊副首領の姿であった。
伴うのは、“智多星”呉用。
二人の姿は、まるで軍師・諸葛孔明を伴った劉玄徳のように見えた。
そして、彼の隣には、“関羽”がいた。
「なぜ……」
なぜ瀕死であったはずの宋江がここにいるのか。
呼延灼には、まるでわけが分からなかった。
「これは──夢か」
(『第70回 結集百八星』より)
『絵巻水滸伝/「第126回 憤怒ノ江、慟哭ノ嶮・前篇』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)