『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(32)
「“九紋竜”、助けに来たよ!!」
もう夕刻だというのに、待てども造船所に火の手が上がらない。そのため、史進の身を案じた朱武が一策を講じたのである。折しも、旅芸人や民間の女に変装した娘子軍が、タク鹿原から一足先に戻って来ていた。
新手の妓船に乗った“美妓”たちは、扈三娘ら梁山泊娘子軍であった。

「梁山泊だ!!」
急を知らせる銅鑼が鳴り響く。
“一丈青”扈三娘、“母夜叉”孫二娘、そして“白面郎君”鄭天寿も長い裳裾に隠していた武器を引き抜いた。