『入雲龍 公孫勝(にゅううんりゅう こうそんしょう)』 風を起こし雨を呼び、霧に跨がり雲に乗る、眼光鋭く、狂熱あり──。反骨の士として登場、その存在は徐々に神秘性を帯びてゆきます。俗世からの逸脱を志す彼でしたが、妖術使いといえども、輪廻の外に生きることかなわず、五雷天心の奥義を伝授された“入雲龍”は、梁山泊の危機を救うべく、再び修羅へと舞い降りるのです。
絵と文★正子公也
*『絵詞』は1996年に描いた水滸伝人物画約20点に添えられた、正子公也の文章を当時のまま、掲載しました。(初出;光栄刊「水滸伝」好漢ファイル)