『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(28)
「同年同月同日に生まれることかなわずとも、同年同月同日に死なん──そう誓った、あの約束を、忘れたとは言わせぬ!!」
関勝は黙した。
風が幕屋の屋根を叩いて、大きな鳥が飛び立つような音をたてた。
関勝は沈黙のまま武器架に近づき、青竜偃月刀を手に取った。

“大刀”の名のもとになった巨大な刃──新しく燃え上がる火の傍らに、関勝は大刀を手にして立った。その顔に光が照り映え、大刀が光輝を放つ。
(ああ、“関菩薩”──)
(『第69回 天命』より)
『絵巻水滸伝/「第124回 嵐の日、その星は輝き(五)その星の名は」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)