『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(25)
張り詰めた空気の中に、“大刀”関勝と“双鞭”呼延灼は向かい合った。

関勝と呼延灼は、ともに宋国の四天王と呼ばれた男である。
十年前、官軍には四人の名将がいた。東の聞煥章、南の関勝、北の韓存保、西の呼延灼──彼らはそれぞれ各地の国境に散って戦った。枢密院に抜擢された聞煥章の他は、滅多に東京に上がることもなかった。
関勝と呼延灼も、互いの名は知っていても、実際に会うのはこれが初めてだった。
(『第68回 帰還』より)
『絵巻水滸伝/「第124回 嵐の日、その星は輝き(五)その星の名は」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)