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2017年 06月 29日
絵巻水滸伝人物名鑑[完全版]其之二十一
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 第71位 地遂星“通臂猿”侯健
   (ちすいせい つうひえん こうけん)


あだ名の“通臂猿”とは「手長猿」のこと。色黒で動きが敏捷なため、そう呼ばれたのである。先祖は古代、長江流域に生息した樹上民だと云われている。
裁縫の腕にかけては並ぶ者なく、“針を飛ばし、糸を走らす”と云われる名手。また、その針は武器ともなり、投げれば百発百中の腕前であった。
梁山泊では、持ち前の腕を生かして旗や戦袍、鎧甲などの製作に従事し、それらの修繕や管理も担当した。“仕立屋”とも呼ばれるゆえんである。
犬ぎらいであったが、銭塘江にて、“金毛犬”段景住とともに海に沈んだ。

“遂”とは、なし遂げること。道の果てまで、辿り着くことである。
杭州から梁山泊へ、そして杭州銭塘江へと、水に沿って旅した侯健の生涯である。
ついに、水の果て──海に辿りつき、彼の足跡は消えた。


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我々は決して負けない!! All Men Are Brothers      梁山泊一同

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by suiko108blog | 2017-06-29 00:00 | 絵巻水滸伝人物名鑑[完全版] | Comments(4)
Commented by 中道 at 2017-06-29 18:58 x
こんばんは。
奇しくも同じ水難で逝った施恩殿、生前の二人の会話が何か
切ないですね、むこうで会ったら「やあ、俺も溺れちまったよ
(笑)」なんて言っているんでしょうか?

108星は、108人で一個の人間のようで体の部位を
一つ一つもぎ取られて行くようで、宋江殿以下残って
行く物ほど心の痛みと同時に体の痛みを伴っているんで
しょうね・・・
Commented by 雲海 at 2017-06-29 21:28 x
こんばんわ。
そうでした。奇しくも犬と猿・・・供に水難という
不思議な縁でした。
雉がいないので欧鵬あたりで、桃太郎は・・・うーん?
王英あたり?
ともあれ、好漢の衣装、意匠かな。みなさん、すごく綺麗なんですが、この、通臂猿もすごく華やかで最初画集で見た時に、感動した記憶があります。
侯健よ。安らかに。
Commented by suiko108blog at 2017-06-30 10:50
> 中道さん
おはようございます!
侯健へのメッセージありがとうございました。
施恩が甲冑のクレームを入れていないといいのですが……「重いよ!」とか。

108人の頭領たちは、それぞれの技能があるだけに、ひとり欠けるごとに、不自由になる感がありますよね……。
ああもう裁縫もできないな……と。
Commented by suiko108blog at 2017-06-30 11:08
> 雲海さん
おはようごごいます!
……李応はキビダンゴじゃ一緒にきてくれなさそうですよね。やはり欧鵬?
鬼ケ島では、欧鵬がひとりで頑張らないと!

好漢の衣装は、やはり侯健が作っていたのでしょうか。
侯健の絵は、糸も色とりどりで、とてもきれいですよね。
いなくなっても、ふと部屋のすみで縫い物をしているような気がするしもしれません……。


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