“智多星”呉用(ちたせい ごよう)
東渓村に住む読書人であった呉用は、諸子百家の学に通じ、策多く、あだ名を“知恵多き星”と呼ばれていました。字は学究、道号を加亮先生と云い、これは三国の天才軍師・諸葛孔明にもまさる智慧の持ち主という意味です。常に道服と羽扇を身につけ、その姿も諸葛亮を彷彿とさせるものがあります。
彼は没落した旧家に生まれ、本来ならば万巻の書に埋もれて静かな生涯を送るべき人でした。しかし、運命の導くまま北斗の党の智嚢となり、生辰綱強奪を主導します。そして、ついには梁山泊の軍師の座につき、泉のごとく湧き出る神算鬼謀によって、次々と梁山泊に降りかかる困難を解決していくのです。
一見、青白い秀才ですが、呉用は銅鏈や暗箭などの暗器を操るという特技も持っています。しかし、彼が戦場に出ることはありません。
常に冷静で、この世のすべての行く末を見通しているかのような呉用。彼は、梁山泊の未来に一体なにを見ているのでしょうか。