『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(3)
「──届かなくてもよいのです」
呉用は白羽扇を揺らし、煙を払った。
「どうぞ、派手にお願いします。“轟天雷”殿」

「“花火”ばかりではつまらん」
凌振は“金輪”、“子母”、“風火”といった火砲を次々と放った。しかし、それらの砲身に詰められている砲弾は、鋼球でも石でもなく、弾に火薬や毒物を詰めた“丸薬”だ。破裂すれば、猛烈な臭気と煙を放つ。
「呉用先生、一発くらい、実弾を打ってもよかろう?」
「物資を無駄にしては、李応殿に叱られます」
「……つまらん」

凌振はぼやきながら北京を脅すため新たに開発した“獅子吼”を放った。千の落雷にも勝る凄まじい砲声は千里の彼方まで響くだろう。水牛は狂ったように暴走を始めていた。
(『第66回 元宵』より)
『絵巻水滸伝/「第123回 汝の名は、神・前篇」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
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