『絵巻水滸伝 第10巻〜結集百八星 』ハイライト(1)
「天は、我々の愛を祝福するようだ」
待たせた──と言ったのは、今日のことだけではない。
今、“大刀”関勝が勅命を受け、梁山泊を攻めている。しかし、梁山泊は容易には落ちないだろう。
遠からず、この東昌府も戦に加わることになる。
そうなれば、程万里はもとは枢密使・童貫の屋敷に雇われた門館先生──子弟の家庭教師である。童貫の推挙で知府にまでなったものだ。文官であり、軍事のことは董平に任せるしかない。輝かしい軍功が、かっこうの結納となるだろう。
「“醜郡馬”宣贊は、矢一本で郡主を賜ったという。俺は二本の槍でお前を得ることになる」
董平は恋人の肩を抱きしめた。
「約束しよう。必ず、お前を妻に迎える」
麗芝は小さく頷いた。
止みそうになっていた雪が、寄り添う二人の上に再び激しく降り始めていた。
(『第66回 元宵』より)
『絵巻水滸伝/『第122回 愚者の宴(四)』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
平成28年熊本地震災害義援金
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