『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(59)
「旦那、逃げよう」
朱貴は小者の手を振り払った。あたりは火に囲まれている。森はもう駄目だろう。しかし、彼には確かめなければならないことがあった。
これは自然の火事ではない。この“南冥”を焼き払おうと、何者かが火をつけたのだ。森のあちこちに火薬を仕込み、次々と発火するよう仕掛けた。
(一体、誰がこんなまねを)
熱風に歪む朱貴の視界で、なにかが動いた。

燃え上がる森の彼方に、進軍してくる紅の軍隊が見えた。紅の鎧、兜も、顔を覆う面具、手袋、長靴もすべてが赤だ。手には火箭を携えている。彼らは燃え上がる火も、降りかかる火の粉も、ものともせずに進んでくる。
無言で進む真紅の軍隊。まるで、それ自体が巨大な炎のようであった。
(『第65回 大戦梁山泊』より)
『絵巻水滸伝/『第122回 愚者の宴(三)』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
平成28年熊本地震災害義援金
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