『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(53)
その頃、梁山泊の北東に二隊の軍勢の姿が現れていた。

旗には、どちらも『東』の文字があるが、ともに来たものではなかった。
一軍は、済水の東を進む東平府軍。もうひとつは済水の西を来る東昌府の軍勢である。率いるのは、どちらも、最近、赴任してきたばかりの兵馬都監。年齢は、やはり共に若い。二通りの凛々しい若武者ぶりを冬空の下に輝かせていた。
両軍は互いの姿に気づくと、遙かに梁山を見上げる川原に馬を止めた。

東平府の将を、董平という。彼は矢壺に二本の小旗を挿していた。『英雄双槍将』『風流万戸侯』。自ら揮毫した文字であるから、おそろしいほどの自負である。
実際、彼は二本の鉄鎗を使い、四書五教はもちろん諸子百家まで、あらゆる学問に精通し、また詩歌管弦の道にも並々ならぬ技量があった。ゆえに、人呼んで、“風流双槍将”。しかし、その秀麗な面貌には、あらゆる学に通じてなお満足できぬというような、鬱屈の陰があった。
(『第65回 大戦梁山泊』より)
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