『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(50)
冬の太陽はみるみる沈む。やがて、彼方の家に火が灯るのが見えた。小道を登り切った宣贊は、小さな庭を横切って、家に近づいていった。窓から明かりが漏れていた。半開きになった窓を、宣贊は覗くともなく覗きこんだ。

小さな灯に照らしだされた、書見する男の横顔が見えた。軽く目を細め、手は何気なく胸を覆う豊かな長髯に添えられている。あくまでも静謐な横顔である。しかし、そこに満ちている気は、悠久の時を封じたような、厳しく、静かな空気であった。
宣贊は息を止め、思わずそこに膝を折った。

それは、あらゆる人の煩悩を払う、まさしく神──関菩薩の姿であった。
(『第64回 虚実』より)
『絵巻水滸伝/「第121回 彼方の岸・嘆きの門(四)」公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
平成28年熊本地震災害義援金
東北地方太平洋沖地震消息情報検索
日本語、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語の5カ国語に対応しています。