『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(33)
「──のぞみは何だ」
「私の名をご存じか」
「知らない」
「柴進──人は“小旋風”とも呼ぶ」
二人はぎょっとして顔を見合わせた。
「梁山泊か!!」

“小旋風”柴進。宋国にあり、その名を知らぬ者はない。
名君の誉れ高き後周世宗の嫡流の子孫であり、柴大官人とも呼ばれる滄州横海郡の大地主。義侠心あつく、好漢を愛し、その屋敷に寄宿した食客は実に三千を越え、“今孟嘗君”ともあだ名される。丹書鉄券をもつ金枝玉葉の身でありながら、妖人・高廉の甥、殷天錫殺害の罪で捕らえられ、その救出のために高唐州において梁山泊軍が激戦を繰り広げたことは巷間に広く語り継がれている。
もっとも、その当代きっての大侠客が、このように洒脱な貴人であることを知る者は世上に少ない。
(『第63回 埋伏』より)
『絵巻水滸伝/「第120回 英雄の節義・後篇」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
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