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2015年 09月 25日
『宋江三十六人賛』(36)
ついに最後のひとりです!
一時は挫けそうになりましたので、実に感慨ぶかい……。
そんな記念すべき36人目の好漢は、梁山泊第十一位の頭領、“撲天チョウ”李応が登場です。『宋江三十六人賛』(36) _b0145843_17144781.jpg






   “撲天【周+鳥】”李応


北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。

古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。

※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!

   “撲天【周+鳥】”李応


 鷙禽雄長(鷙禽は雄長)

 惟【周鳥】最狡(ただ【周鳥】が最も狡し)

 毋撲天飛(天を撲って飛ぶことなく)

 封狐在草(狐を在草に封ず)


鷙は鷹などの荒々しい鳥のこと、猛禽ですね。
李応はここでも、“天をうつオオトリ”と呼ばれる人物だったようですが、ずるいとか、狐とか、不穏な言葉が並んでいます……?

というわけで、suiko108的にザックリ超訳してみると……

「李応の旦那は、勇猛なオオトリのような豪傑だが、案外に計算高い。わざわざお上に逆らって痛い目を見るようなバカはせず、馴染みの田舎に引っ込 んで、悠々自適の暮らしぶり」

杜興の「旦那様……」という顔が浮かんできそうですが、こんな感じでしょうか?
“草の中の狐”というのは、中国では“鳥なき島のコウモリ”的な、狭い世界で幅をきかせる……というニュアンスのようです。

『水滸伝』の李応をご存じの皆さんには、ちょっと納得……でしょうか。


さて、ついにこれで三十六人賛、終わりました!
間違ったところも沢山あると思いますが、『水滸伝』の前身である好漢(?)たちのイメージは伝わったのではないでしょうか。
suiko108の研究が進んだら、その都度、改訂していくつもりです。

長い間、お付き合いありがとうございました!



『宋江三十六人賛』(36) _b0145843_18581166.jpg
  我々は決して負けない!! All Men Are Brothers          梁山泊一同

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by suiko108blog | 2015-09-25 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


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