ついに最後のひとりです!
一時は挫けそうになりましたので、実に感慨ぶかい……。
そんな記念すべき36人目の好漢は、梁山泊第十一位の頭領、
“撲天チョウ”李応が登場です。
“撲天【周+鳥】”李応
北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。
古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。
※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!
“撲天【周+鳥】”李応
鷙禽雄長(鷙禽は雄長)
惟【周鳥】最狡(ただ【周鳥】が最も狡し)
毋撲天飛(天を撲って飛ぶことなく)
封狐在草(狐を在草に封ず)
鷙は鷹などの荒々しい鳥のこと、猛禽ですね。
李応はここでも、“天をうつオオトリ”と呼ばれる人物だったようですが、ずるいとか、狐とか、不穏な言葉が並んでいます……?
というわけで、suiko108的にザックリ超訳してみると……
「李応の旦那は、勇猛なオオトリのような豪傑だが、案外に計算高い。わざわざお上に逆らって痛い目を見るようなバカはせず、馴染みの田舎に引っ込 んで、悠々自適の暮らしぶり」
杜興の「旦那様……」という顔が浮かんできそうですが、こんな感じでしょうか?
“草の中の狐”というのは、中国では“鳥なき島のコウモリ”的な、狭い世界で幅をきかせる……というニュアンスのようです。
『水滸伝』の李応をご存じの皆さんには、ちょっと納得……でしょうか。
さて、ついにこれで三十六人賛、終わりました!
間違ったところも沢山あると思いますが、『水滸伝』の前身である好漢(?)たちのイメージは伝わったのではないでしょうか。
suiko108の研究が進んだら、その都度、改訂していくつもりです。
長い間、お付き合いありがとうございました!
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
東北地方太平洋沖地震消息情報検索
日本語、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語の5カ国語に対応しています。