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2015年 08月 06日
『宋江三十六人賛』(33)
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   “双尾蝎”解宝


北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。

古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。

※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!

   “双尾蝎”解宝

登州の虎皮兄弟の弟、“双尾蠍”解宝が、兄の“双頭蛇”解珍に遅れること4人にして登場です。
『水滸伝』では35位なので、ちょっとだけ順位は上になりました。
兄の解珍は、かなりの“悪党”のようでしたが、解珍はどうでしょうか?
『水滸伝』では、兄よりも気性が荒い、とか書かれていますが……。

 医師用蝎(医師は蠍を用い)
 
 其体貴全(その体は貴く全し)

 反其常性(その常性に反し)

 雷公汝嫌(雷公は汝を嫌う)


まず、毒虫である“蠍”ですが、これは今でも漢方薬として使われています。
「毒をもって毒を制する」の文字通り、死にかけた病人も生き返るような優れた効果があると云われています。
“常性”はもともとの性格、“雷公”はカミナリ様ですが、中国では正義感の強い、不正を許さない神様です。

そこを踏まえてsuiko108的超訳を試みてみましょう。

「蠍は素晴らしい薬になるというのに、“双尾蠍”の解宝は毒が強すぎる。とても人の役には立たぬ乱暴者で、ついに雷公の罰があたってしまった」

双頭の蛇は見た者を殺す不吉な存在でしたが、毒針を2本持っている蠍も、薬にするには毒が強すぎるやっかい者……そんな感じでしょうか。
兄の解珍は陰徳の人に殺され、弟の解宝は雷公の罰があたり……と考えると、『水滸伝』における二人の最期がなにか暗示的ですね。
こちらの兄弟も、ともに悲惨な最期を迎えたのかもしれません。

ちなみに、蠍は料理にも使われます。
カラリと素揚げにして、サクサクした食感を楽しみますが……針がついたままですので、食べる時は気をつけて!
suiko108の父親は「体にいいから」と勧められてチャレンジしましたが、針が口にささって悲鳴をあげていました。
今思うと、まさに、この賛に書かれている“蠍”のイメージを表現したエピソードでしたね。油断大敵です。


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  我々は決して負けない!! All Men Are Brothers          梁山泊一同

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by suiko108blog | 2015-08-06 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


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