『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(7)
徐州沛県に一群の山あり。
芒と湯の地に連なる山を、人は芒湯の山と呼ぶ。すなわら、秦末、漢朝の高祖・劉邦が反逆者として立てこもった山──王の地である。
しかし、今や、山はさびれ、荒れ果てて、山腹に一古道観を遺すのみ。聞こえるものは、風の音、松籟の声、そして、嫋々と尾を曳く猿嘯のほかは、ない。
その崩れかけた道観を見下ろす峰に、一人の男が立っていた。


身には鋼の鎧をまとい、背には二十四本の飛刀を担う。男は、狙いすましては飛刀を放った。ひとつ放っては、しばし考え、また放つ。右へ、左へ、上へ、次には大きく体を捩って背後へと。放たれた飛刀は風を切り、狙った葉へ、梢の枝へと、あまたず当たった。
(『第61回 混沌の王』より)
※文中の「芒湯の山」は、正しくは芒【石+昜】の山です。
『絵巻水滸伝/「第118回 風・前篇」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
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