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2015年 06月 25日
『宋江三十六人賛』(31)
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   “没遮闌”穆横


北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。

古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。

※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!

   “没遮闌”穆横

 出没太行(太行に出没し)
 
 茫無畔岸(茫無たる畔岸)

 雖没遮闌(没遮闌たりといえども)

 難離夥伴(夥伴とは離れがたし)

※“没遮闌”の“闌”は、正しくは手篇+闌

梁山泊二十四位の好漢、“没遮闌”穆弘の登場です。
あだ名は同じ“遮るものなし”ですが、名前は「横」。三十六人賛の中にも「張横」がいますから、これはかぶってしまいますね。どこまでも因縁の二人です。
発音は「横 heng」「弘 hong」でちょっと似ています。
ただ、意味は「横」は横暴とか、横行で使われるように、名前としては余りいい意味ではありません。
「弘」は、大きい、広いといったいい意味です。
物騒な張横、度量の広い穆弘のイメージに合っていますね。

文中には、あまり難しい言葉はありません。
太行はお馴染み、山賊の巣窟“太行山”。具体的な地名であり、無頼漢や賊の世界といった意味にも使います。
“夥伴”は現代中国語では“伙伴”と書いて、「仲間・相棒」のこと。
“畔岸”は田んぼの畔と川岸……江州生まれの穆弘にふさわしいようですが、偏屈で勝手な様子、の意味もあります。
広々と果てのない自由な水辺に生きる男か、誰の束縛もうけない勝手気ままな男か……両方をひっかけているのかもしれませんね。

そんなところをsuiko108的に超訳してみると……

「山を騒がし、岸辺で暴れ、“遮るものなし”の旦那は好き放題。勝手気ままに振る舞って、怖いものなどありゃしない。ただひとつ苦手があるなら、 それは仲間を失うことだ」

これは……任侠ですね!
掲陽鎮の大親分にふさわしい賛ではないでしょうか。
お上・世間にたてつきながら、仲間だけは大事にしていたのでしょう。
そして、あるいは、なにか多くの仲間を失うようなことがあったのかもしれませ ん……。



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  我々は決して負けない!! All Men Are Brothers          梁山泊一同

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by suiko108blog | 2015-06-25 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


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