『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(1)
その時、一陣の風が呉用を襲った。頭巾を揺らし、袖を舞い上げ、呉用の上を吹き過ぎた。呉用は思わず身をかがめた。そして、不吉な音を聞いた。
呉用は、聚義庁前に掲げられた梁山泊の大旗がゆっくりと倒れていくのを見た。旗は傍らの松明を巻き込んで大地に倒れ、そのまま赤い炎に包まれた。旗を倒した狂風が、唸り、空へ駆けていく。呉用は無意識に空を見上げた。その視界の中央を、光が過った。
星だった。夜空を貫く一条の光──巨大な流星が眩い光を放って空を横切り、粉々に砕けて散った。
(まさか……)
(『第60回 凶報』より)
『絵巻水滸伝/「第117回 夢・後篇」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
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