「杜遷よ、しっかりしろ」
目を閉じようとすると、宋万の呼ぶ声が聞こえた。
「杜遷よ。矢が、四本も刺さっているぞ」
目を開けると、前に宋万が立っていた。逆光で顔はよく見えなかったが、宋万の頭からも矢柄が長く突き出していた。
「宋万よ、お前の頭にも、刺さっておる」

「大丈夫だ、ちっとも痛くない」
梁山泊軍は二人が支えた門の間から、雪崩のように城内へと進撃していく。
「杜遷よ、わしらも行かねば」
宋万が差し出した腕を掴み、杜遷は立ち上がろうとした。しかし、激しい痛みに、そのまま尻餅をついた。

「足に矢が刺さって、歩けんわい。宋万よ、先に行け」
「ならば、杜遷よ。ゆっくりと来ればよい」

宋万は杜遷の手を離すと、頭に矢を刺したまま城内へ向かって駆けていった。
「さすが、宋万!」

(『第110回 命』より)
『絵巻水滸伝/ 第115回「幻・前篇」』公開中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
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