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2014年 11月 28日
『宋江三十六人賛』(22)
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   “挿翅虎”雷横


北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。

古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。

※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!

   “挿翅虎”雷横

  飛而食肉(飛びて食肉)

  有此雄奇(有り此の雄奇)

  生入玉関(生入す玉関)

  豈傷令姿(豈に傷す令姿)



「飛びて肉を食らう、此の雄奇あり、生入す玉関、あに令姿を傷す」

水滸伝では第二十五位の好漢である、“挿翅虎”雷横登場!!
なんと相棒の“美髯公”朱仝より先です。あだ名は同じ“挿翅虎”。『水滸伝」では脚力が強く、広い河でも飛び越えることができるので、“翼ある虎”──“挿翅虎”と呼ばれたと説明されています。
日本語でいうところの「鬼に金棒」を、中国語では「如虎添翼」「為虎生翅」などと云います。確かに、虎が飛びながら襲いかかってきたら……『水滸伝』でも朴刀を手に劉唐と互角の戦いを見せる雷横ですが、もともと相当に強かったのでしょうね。
玉関とは現在の甘粛省にあった玉門関のことで、この先はいわゆる西域です。もしくは、天界の入り口にある門のことです。
「生」の意味は、生きて、初めて、むりやり、生き生きと……など多様です。
“玉関”も、実際の玉門関でも、天界の門でも、その先は“異域”です。
「玉門を入る」とは、二度と帰って来れるか分からない場所に赴く……というニュアンスでしょうか。
山賊になる……というのも、再び人界に戻れるか分からない危険な行為には違いありません。


文章の意味をSUIKO108的に超解釈(?)してみると、


「“挿翅虎”雷横はあだ名のごとく、まるで翼の有る虎だ。飛ぶ虎が獣を襲うかのような戦いぶりは勇壮で、なかなかあるものではない。それが、どうしたわけか山賊となって、立派な姿に傷をつけることになるとは」

想像をたくましくすると、こんな感じでしょうか。
『水滸伝』では朱仝の影に隠れがちですが、雷横、なかなか評判が高かったようです。


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  我々は決して負けない!! All Men Are Brothers          梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。

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by suiko108blog | 2014-11-28 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


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