『絵巻水滸伝 第8巻〜替天行道 』ハイライト(7)
「笑わせるな!!」
空の彼方から声が降った。
「魔王の名を騙るとは万年早いわ!!」
雷鳴のように響く声だった。人々は、一斉に天を仰いだ。
「あれは……!!」

帆桁の上に黒衣の男が立っていた。皓々と光る双眸、川風に躍る乱髪、首には流星錘をかけ、手には金色に輝く金鈴弔掛を掲げていた。

「魔王が見たいか!!」
風が起こった。

「魔王が見たいか!!」
その風に乗り、黒衣の男は甲板の上に舞い降りた。
「姓は樊、名は瑞、人呼んで“混世魔王”」

そのそばには、二人の異装の男が控えていた。
“魔王”には二人の使いがあり、一人を項右使、もう一人を李左使という。項右使とは、すなわち“八臂那吒”項充、手には獅子面の団牌、背には二十四本の飛刀を担う。李左使すなわち“飛天大聖”李袞は、獣面の団牌に、同じく二十四本の飛鎗を背負う。彼らのもとに、猿、妖兵ら魔の眷属が群れ集い、儀仗兵のように魔王を囲んだ。
(『第54回 魔王』より)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
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