人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2014年 06月 26日
『宋江三十六人賛』(10)
『宋江三十六人賛』(10)_b0145843_22135697.jpg







   “浪里白跳”張順


北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。
『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。
もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。

古文ですし、当時の世相を色濃く反映しているので、訳すのは大変に難しいです。
分からない言葉もたくさんありますが、なんとか頑張って読んでいってみましょう。
南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。

※訳文はあくまで素人の推測・想像ですので、多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。
皆さんのご意見、識者のご教授をお待ちしています!

   “浪里白跳”張順

  雪浪如山(雪浪、山の如し)

  汝能白跳(汝、能く白跳す)

  愿随忠魂(愿んで忠魂に随い)

  来駕怒潮(駕来たりて怒潮す)


「雪浪は山の如し、汝よく白跳す。愿んで忠魂に随い、駕来たりて潮怒る」


水滸伝では第二十八位の“浪裏白跳”張順が、阮小七に続いて水軍では二番目に登場です。
やはり兄の張横をさしおいて……水軍兄弟におけるこの逆転には、どんな意味があるのでしょう。
気になります。なお、「里」と「裏」はおなじ「うち、中」の意味です。

文章の意味をSUIKO108的に超訳(?)してみると、

「雪のごとき白波が山のごとく荒れ狂うが、張順はその荒波の中を白魚のごとく泳いでみせる。自らのぞんで忠義の心に従って命を失い、神と なって戻ってくれば、波はますます荒れ狂う」

※こんな感じでしょうか?
水滸伝でも張順は死後に神として祀られていますので、元々そういう話があったのでしょうか。
「来駕」は皇帝や貴人、神様などが来ることを云います。荒れ狂う水中に踊る張順の雄々しい姿が見えるような賛ですね。


『宋江三十六人賛』(10)_b0145843_18581166.jpg
  我々は決して負けない!! All Men Are Brothers          梁山泊一同

被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。

東北地方太平洋沖地震消息情報検索
日本語、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語の5カ国語に対応しています。

by suiko108blog | 2014-06-26 00:00 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)


<< 「明石焼き」      『百花三国志』iPhoneアプ... >>