★梁山泊の処刑を司る頭領
晁蓋の時代から、梁山泊は非常に軍規を重んじていますが、あまり処罰を行った例はありません。戦場での軍規違反といえば、民衆への暴行や略奪が主なものですが、梁山泊軍はそれらを厳しく禁じています。将兵間のつながりが強く、統率のしっかりした梁山泊軍では、兵卒にいたるまで軍規が浸透しているのかもしれません。
94★地平星“鉄臂膊”蔡福
(ちへいせい てっぴはく さいふく)
95★地損星“一枝花”蔡慶
(ちそんせい いっしか さいけい)
兄の蔡福は腕力が非常に強く、あだ名は“鉄臂膊”──すなわち「鉄腕」。弟の蔡慶は鬢に花を挿すのを好むことから、あだ名は“一枝花”。処刑人にしては洒落者だが、中国には死刑になる罪人の髪に花を挿す習慣もある。兄弟ともにもとは朝廷の役人で、拷問および処刑のプロフェッショナル。痕跡を残さず、自然死に見せて人を殺すこともお手の物である。
北京で捕らえられた“玉麒麟”盧俊義も“処分”しようとするが、柴進に脅迫されて断念。元宵節の夜に梁山泊軍が北京に攻め込んでくると、やむをえず協力し、そのまま梁山泊へ身を投じる。梁山泊に来てからは処刑人としての仕事は開店休業状態で、しばしば戦闘に参加する。双子であるが、外見はまるで似ていない。
「絵巻水滸伝」(第二部)連載中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)