『絵巻水滸伝』第二部、いよいよ先月より「遼国篇」が始まりました。ここまでの物語をハイライトシーンで振りかえってみましょう!
『絵巻水滸伝 第1巻〜伏魔降臨』ハイライト(4)
「おい、あんたがた」
見れば、一人の大男が恰幅のいい体を揺すりながら近づいてくる。顔の半分はもじゃもじゃの髭で覆われ、腕にも肩にも牛のような筋肉が盛り上がっていた。足取りは無造作だが、隙がない。
「わしに一杯、奢らせてくれんかな」
「あんたは誰だ」

「わしか。姓は魯、名は達。経略府で提轄をしておる者だ。さっきから見ていたが、あんた──」
男は髭で覆われた顎をしゃくり、にやりと笑った。
「えらく強いな!!」
男は大きな手で史進の背中をばんと叩くと、豪快に笑った。
絵巻水滸伝(第1巻)(第三回 出奔より)