好漢たちの名前は、中国語でどんなふうに呼ぶのでしょう? またその意味は?
李俊
Li Jun
【リ・ジュン】
梁山泊水軍の総帥たる、“混江竜”李俊です。李というのは、中国ではとにかく多い姓です。「張三李四」といえば、日本でいえば「クマさんハッっぁん」、まったくよくある名前ということです。絵巻水滸伝では、琵琶亭の女主人・樊慧鳳が、潯陽江に流れ着いた名無しの“迷竜”に、「李俊」という名前をつけます。
潯陽江には「李」という白竜が棲んでいる──という伝説がある、と樊慧鳳は語ります。李は人間界にも多い名前ですが、神様にも多いのです。太上老君も托塔天王も姓は李ですね。有名な八仙のひとり、李鉄拐もいます。李俊は「神の竜」の姓をもらったわけです。
そして、名前の「俊」ですが、これは「若々しく爽やかで容貌が美しい」ことです。樊慧鳳には、李俊がそう見えたのでしょうか? まさに「一見鐘情」……一目惚れであったことが分かりますね。
「絵巻水滸伝」(第二部)連載中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)