★情報の探知を統べる頭領
梁山泊の行うすべての活動、戦争に欠かせない重要な部署です。情報の探知、伝達、敵地に潜入しての隠密行動などを行う彼らは、まさに梁山泊の「特殊部隊」と言えるでしょう。
彼らの下には、斥候兵や、柴進直属の“鶏狗”らが属します。また、呉用の“飛奴”こと白鴿たちも彼らの仕事を助けます。
20★天速星“神行太保”戴宗
あだ名は“神行太保”。神行法という神術を会得しており、二枚の甲馬を足に縛ると一日に五百里、四枚にすれば八百里を行くことができる。“太保”とは「巫」──神術を使う行者のこと。“甲馬”とは神を下ろす術符である。
もとは江州の牢番長で、流罪となってやって来た“及時雨”宋江に自ら賄賂を“集金”にいく世馴れていた。しかし、宋江を助けようとする呉用に目をつけられ、“聖手書生”蕭譲と“玉臂匠”金大堅が偽装した蔡京のにせ手紙を届けることになってしまう。しかし、そのことが発覚し、宋江とともに刑場へ引き出された戴宗は、あわや斬首というところを、弟分の李逵や攻め寄せた梁山泊軍に救出された。
入山後は神行法の特技を生かし、伝令として活躍する。一徹な好漢が多い中では珍しく、柔軟な思考と世馴れたいぶし銀の風格を持つ男で、李逵を制御できる数少ない人間の一人でもある。シニカルな面が目立つが、実は昔、李俊の妻の樊慧鳳に惚れていた。
「絵巻水滸伝」(第二部)連載中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)