石秀が笑った。その顔が、楊雄にはなぜか懐かしく感じられた。
「君は、家族は?」
「俺は天下に一人きり。気楽な身だ」
「そうか……私も、妻がいるが──身内はいない」
楊雄は目を伏せて、冷えた酒を飲み干した。
「弟になってもいいぜ」
ふいに石秀が言った。楊雄は驚いて顔を上げた。
「昔から、あんたみたいな兄貴が欲しかったんだ」
石秀は杯を差し出した。簾の間から差し込む光が、眸に明るく映えていた。
第一問の答えは
石秀でした!
(「絵巻水滸伝・第5巻」)
義兄弟は多いけれど、自分から義弟の名乗りを上げたのは石秀だけ!?
よほど楊雄が心配だったのでしょうか…。
「絵巻水滸伝」(第二部)連載中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)