★水軍
時として梁山泊軍の勝敗を鍵を握る軍です。中国は古来「南船北馬」といわれ、北方は陸軍が中心でしたが、運河の整備などにより、水軍も不可欠の要素となりました。海外との貿易もさかんに行われ、造船技術や航海技術も発達します。梁山泊水軍も、水上戦はもちろん、物資人馬の輸送や、水中からの攻撃など、縦横無尽に活躍します。
68★地進星“出洞蛟”童威
(ちしんせい しゅつどうこう どうい)
69★地退星“翻江蜃”童猛
(ちたいせい はんこうしん どうもう)
兄の童威はあだ名を“出洞蛟”──「洞を出る蛟」。“蛟”とは、時を経て竜となる水蛇のこと。弟の童猛はあだ名を“翻江蜃”──「江をかき回す蜃」。“蜃”とは、蜃気楼を吐くという大蛤。“蛟”も“蜃”も水に棲む妖しい霊獣である。
江州の出身の孤児で、琵琶亭の女将・樊慧鳳に育てられた。掲陽嶺をしきる李俊にとっては弟分。宋江を救おうとした李俊について、梁山泊に加わった。泳ぎが達者で、舟も漕げる童兄弟は梁山泊でも水軍に配属され、戦闘では常に李俊に従う。
勇ましい名前のわりにはと口数も少なく、李俊の影に隠れて余り目立つ存在ではない。しかし、兄の童猛がクールなようで熱血漢、弟の童威がぼんやりしているようで結構しっかりしている……といった個性も実はある。
他の水軍連中が個性的すぎるのだろう。
「絵巻水滸伝」(第二部)連載中!(
キノトロープ/絵巻水滸伝)