★歩兵軍将校
十七名いる歩兵を率いる頭領たちです。少数の兵で遊撃部隊的な働きを担うことが多く、敵の城市などへ潜入し、攪乱や煽動を行うこともあります。
64★地飛星“八臂那タ”項充
(ちひせい はっぴなた こうじゅう)
徐州沛県の生まれ。団牌(丸い楯)と飛刀の名手で、あだ名は“八臂那タ”。那タとは、道教で信仰される童形の神。三面六臂の非常に強い神であるが、項充はそれよりも腕が二本多いのである。背に二十四本の飛刀を背負い、百歩離れた人を狙って外すことがない。
もとは“混世魔王”樊瑞を首領に“飛天大聖”李袞と故郷の芒トウ山に塞を構え、梁山泊を仇敵として狙っていた。そのため梁山泊から“九紋竜”史進率いる少華山の軍が攻め寄せてくる。芒トウ山は樊瑞の幻術をもって迎え撃つが、梁山泊軍にも“入雲龍”公孫勝が参戦しており、敗れて三人ともに梁山泊の仲間となった。梁山泊に加わってからは、李袞とともに李逵の副将につくことが多く、団牌を持った牌手を率いて、裸で切り込んでいく李逵を守る役目も担う。
幼くして暴政によって家族を失い、やはり天涯孤独であった李袞を弟がわりに育てた。寡黙な知性をもつ男である。